
50代夫婦の離婚 筆者は「家族のためのADRセンター」という民間の調停センターを運営している(民間機関ではあるが、いわゆるADR法に基づき、法務省が管轄する制度である)。取り扱う分野は親族間のトラブル全般であるが、圧倒的に多いのが夫婦の離婚問題だ。ADRは、「夫婦だけでは話し合いができない。でも、弁護士に依頼して裁判所で争いたいわけではない」という夫婦の利用が多いため、裁判所を利用する夫婦に比べると紛争性が低い。また、同席で話し合うことも多く、その夫婦の「らしさ」というか、人間味のあるやり取りになることも多い。そこで「ADR離婚の現場から」シリーズと名付け、離婚協議のリアルをお伝えする。